2025.11.05
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vol.4 他の薬局・病院・ドラッグストアはどうしてる?
【ハラスメント対策】を大公開!

5分で読めるポイント解説 薬剤師白書2024

薬剤師白書2024

 

編集部より

近ごろ、「ハラスメント」に関するニュースを目にする機会がとても増えています。

薬局や病院、ドラッグストアの現場も例外ではなく、「薬剤師白書」には実際にさまざまなハラスメントを経験した薬剤師の声が多く寄せられています。

2020年6月からは、これまで法整備が進んでいなかった「パワーハラスメント」に対しても、防止措置を講じることが事業主の義務となりました。(中小企業は2022年4月から対象)

 

では、薬剤師の皆さんは誰からハラスメントを受けることが多いと感じているのでしょうか?

また、職場ではどのような対策が取られているのでしょうか?

 

この記事では、「薬剤師白書2024年度版」のデータをもとに、薬剤師を取り巻くハラスメントの実態と、その防止に向けた取り組みをわかりやすくご紹介します。

 

編集・構成/メディカルサポネット編集部

  

1. 薬剤師に職場のハラスメント状況をアンケートした結果…

1. 薬剤師に職場のハラスメント状況をアンケートした結果…

  

現在を含むこれまでの職場のハラスメント(セクハラやパワハラ、マタハラ)の状況を尋ねたところ、以下のような回答となりました。

  • 「受けたことがある」53.6%
  • 「受けたことがない」23.6%
  • 他の職員が受けているのを見たことがある」13.2%

「受けたことがある」「他の職員が受けているのを見たことがある」を合計した58.1%の人が、職場のハラスメントを経験しています。

 
  

2.誰からハラスメントを受けたのか

2.誰からハラスメントを受けたのか

 

ハラスメントを経験したことがある、見たことがあると答えた方に、それは誰からのハラスメントか尋ねたところ、上位に以下が挙げられています。

  • 上司」77.8
  • 「同僚」25.6%、
  • 「患者」23.7%
  • 先輩」23.4%
  • 「医師」15.5%

 

「上司」が77.8%と突出して多い結果となりました。

差し支えない範囲でハラスメントの内容についても回答をいただきました。

薬剤師から届いたリアルな声を、一部抜粋してご紹介します。

 

年代 職場 回 答
30代 病院 毎日呼び出され、注意される。有給休暇を取得できない。電話を無視する。休日に電話で怒鳴られる。
30代 調剤薬局 シフト時間が決められているのに、上司が不機嫌になると「もう帰っていい」と早く帰るよう促され、他の日に残業したりと時間調整をしないといけなくなる。口を聞いてもらえない、陰で悪口を言われる。
30代 調剤薬局 1年目の休憩中にお昼を食べていたら、薬剤師の先輩から「意欲が足りない」と言われ(休憩中も休まず、自己研鑽しろということ)、その後初めての業務(注射混注)が時間内に終わらなかったのはそのせいだと、泣くまで怒られた。被害者は私だけではなく、うつ病になり、出勤できなくなる同僚も続出した。疑義照会すると、医師から怒鳴り散らされることがあった。患者からは院内採用にない薬が欲しいと言われ、ドラッグストアで購入するよう話したところ、大声で怒鳴られた。
30代 病院

日曜日営業の際、勤務時間5分前に出勤したのに、「人数少ないから、もっと早く出勤しろ」と言われた。特定の人に対して圧が強い。

40代 病院 他の人をメールの CC に入れて注意をする。「子育て中なのに、学会発表なんてできるのか?」などの不適切発 言がある。意見すると、無視され、聞き入れてもらえない。
40代 調剤薬局 薬剤師の上司からの、患者や自分、病院、施設事務を見下す、馬鹿にするような態度と言動。勤怠表などを他の職員の分だけ本部宛に送られていた。悪口、陰口などを職場内で言われていた。
50代 調剤薬局 エリアマネージャーが面接を受けに来た方を調剤室に案内した時、「若い方が多いんですね」の問いかけに対し、「あの人だけ違うけどね」と笑いながら私の方を指差し、それに対して私が嫌な顔をすると、「あれ、聞こえちゃった?」と笑っていた。オープン当時からその店舗で頑張ってきたが、その一言でやる気が失せてしまった。
60代以上 調剤薬局 男性の同僚(年上)が女性である自分と同行する際に、「お前と同行すると周りからカップルと勘違いされるから嫌だ」と言っていた。上司からは「女性なんだから昇進のための受験は必要ないだろう」と言われ、昇進のチャンスを奪われた。

 

 

ハラスメントは単なる「嫌な出来事」では済みません。

嫌がらせやいじめ、人権を侵す可能性があり、当事者の心に深い傷を残します。

 

職場全体にとっても大きなリスクで、メンタル不調ややる気の低下を招き

場合によっては退職という最悪の結果に繋がることもあります。

 

では、実際にどれくらいの事業者がハラスメント予防に向けた取り組みを進めているのでしょうか。

次はその現状を、もう少し詳しく見ていきましょう。

 

 

3. ハラスメント予防に向けた取り組みを実施していますか?

3. ハラスメント予防に向けた取り組みを実施していますか?

 

ハラスメントの予防に向けた取り組みを実施しているか尋ねたところ、以下のような傾向が見られました。

  • 実施している」46.9
  • 実施を予定・計画している」17.5
  • 取り組む必要があるが、大きな問題となっていないので実施していない」14.7%
  • 「取り組む必要があるが、余裕がなく実施できていない」12.6%
  • 「取り組む必要がないので実施していない(ハラスメントは発生しない環境である)」8.4%

 

実施中または実施を予定・計画している事業者が全体の 64.4%を占め、取り組む必要があるものの実施に至っていない事業者が 27.3%という結果でした。

  

 

4. どんなハラスメント予防策を、実施・計画していますか?

4. どんなハラスメント予防策を、実施・計画していますか?

ハラスメントの予防に向けた取り組みを「実施している」「実施を予定・計画している」と回答した事業者に、どのような取り組みを実施/計画しているか尋ねたところ、以下のような回答となりました。

 

  • 「ハラスメントについて相談できる窓口を設置している」77.2%
  • 「就業規則などの社内規定に盛り込んでいる」57.6%
  • 「ハラスメントに関する講演や研修を実施している」25.0%
  • 「上司に対し、部下への接し方などの研修・講習を実施している」17.4%
  • 「アンケートなどで実態調査・把握に努めている」16.3%
  • 「ポスターやリーフレットなどの啓発資料を配布・掲示している」「職場におけるコミュニケーションの活性化などに関する研修・講習を実施している」8.7%

 

相談窓口の設置や社内規定への明記など、ハラスメント防止に向けた体制を整えている事業者はおよそ6~8割にのぼります。

一方で、ハラスメントに関する講演や研修を実施している事業者は約3割

さらにコミュニケーションの活性化に関する研修や講習を行っている事業者は、わずか1割程度にとどまっています。

  

 

5. 実際に効果が高い取り組みは、どんな内容ですか?

5. 実際に効果が高い取り組みは、どんな内容ですか?

 

ハラスメントの予防に向けた取り組みを「実施している」と回答した事業者に、どのような取り組みの効果が高いか尋ねたところ、以下のような回答となりました。

 

  • 「ハラスメントについて相談できる窓口を設置している」61.2%
  • 「就業規則などの社内規定に盛り込んでいる」31.3%
  • 「ハラスメントに関する講演や研修を実施している」23.9%
  • 「上司に対し、部下への接し方などの研修・講習を実施している」17.9%
  • 「アンケートなどで実態調査・把握に努めている」13.4%
  • 「職場におけるコミュニケーションの活性化などに関する研修・講習を実施している」7.5%
  • 「ポスターやリーフレットなどの啓発資料を配布・掲示している」4.5%

 

ハラスメント防止への意識は、徐々に職場にも浸透してきています。

今回のアンケートでは、「相談窓口を設置している」と回答した事業者が61.2%と、全体の6割を超えました。

 

一方で、「社内規定に盛り込んでいる」事業者は31.3%「講演や研修を実施している」事業者は23.9%と、制度整備や教育の面ではまだ発展途上のようです。

 

さらに、「上司への指導研修(17.9%)」「実態調査(13.4%)」など、“予防”や“改善”に向けた取り組みは限られています。

「コミュニケーション活性化に関する研修」わずか7.5%「啓発資料の掲示・配布」4.5%と、いずれも低い数値にとどまっています。

 

制度を整えるだけでなく、日々の会話や関係づくりを通じてハラスメントを防ぐ意識が、これからの職場に求められているのかもしれません。

  

 

6. まとめ

今回は「ハラスメントの実態と自院での取り組み」についてご紹介しました。

ハラスメントは、組織の誰か一人でも誤った理解をしていると、大きなリスクにつながります。

そのため、定期的にハラスメント防止の方針を明確にし、相談窓口を設置するとともに、被害を受けた方へのケアや再発防止に努めることが重要です。

 

また、万が一ハラスメントが発生した場合、組織は被害者だけでなく加害者も孤立させてはなりません。

孤立や過度なストレスは、ハラスメントを引き起こし、さらに助長する要因となるからです。 

経営者や人事、管理職の皆さまには、組織内で恒常的にハラスメント防止策に取り組むことが求められています。

 

 

↓全調査結果は、こちらよりダウンロードできます(会員登録無料)↓

薬剤師白書2024

 

 

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