2025.10.15
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薬局運営で活躍する薬剤師を採用するための面接のポイントとは?質問例もあわせて解説

薬局運営で活躍する薬剤師を採用するための面接のポイントとは?質問例もあわせて解説

    

編集部より

採用面接で「この人だ」と思える薬剤師に出会えず悩んでいませんか? 「条件に合う人材が見つからない」「現場で力を発揮できる人材が見つからない」そういった状況は、多くの薬局が抱える課題です。

 

本記事では、薬局運営で活躍する薬剤師の特徴や面接前に準備すべきこと、面接官が意識したいポイント、実際に使える質問例をご紹介します。 

 

執筆/篠原奨規 管理薬剤師 薬局グループ エリアマネジャー補佐

編集/メディカルサポネット編集部

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1.薬局運営で活躍する薬剤師の特徴

 ボールペンを持って薬について調べる薬剤師

 

薬局運営において、薬剤師は調剤業務や服薬指導を通して患者さんとの信頼関係を築く、重要な役割を担います。

さらに、薬局を安定して運営するためには、経営的な視点も欠かせません。

はじめに、薬局運営で活躍する薬剤師の特徴を解説します。

 

薬学知識を常に更新し、実務スキルに反映できる

薬剤師が薬局業務で質の高いサービスを提供するためには、最新の薬学知識を継続的に学ぶ姿勢が欠かせません。

 

医薬分野は、新薬の登場や適応症の追加、副作用情報の更新など、変化のスピードが非常に速い領域です。

薬剤師には医療情報を常にアップデートし、処方監査や服薬指導に反映する力が求められます。

知識の豊富な薬剤師を採用できれば、現場での判断力や問題解決力の向上につながるでしょう。

 

コミュニケーション力が高い

服薬指導を通じて、患者さんと信頼関係を築くためには、高いコミュニケーション力が必要です。

 

患者さんのなかには体調や薬物治療に不安を抱えている方もいるため、わかりやすい言葉で説明し、安心感を与える対応が求められます。

また、2022年7月に開催された「薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループ」において、これからの薬局薬剤師の課題として、対人業務の強化が取り上げられました。

とくに処方せん受付時以外のフォローアップ、ポリファーマシーへの対応、セルフケアやセルフメディケーション支援など、患者さんとの対話を伴う業務の重要性が指摘されています。

 

資料:これからの薬局薬剤師に求められる対人業務の充実

資料:これからの薬局薬剤師に求められる対人業務の充実

出典:厚生労働省薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループとりまとめ~薬剤師が地域で活躍するためのアクションプラン~概要資料 

 

さらに、薬局運営は薬剤師だけでなく、医療事務やほかのスタッフとの連携によって成り立っています。

調剤や在庫管理、業務の優先順位付けなどを滞りなく進めるには、情報共有や意思疎通がスムーズであることが重要です。

こうした状況において、コミュニケーション力の高い薬剤師は、患者さんへのサービス向上だけでなく、職場全体の雰囲気や業務効率にも良い影響を与えます。 

 

経営意識を持っている

薬局を安定して運営していくためには、経営面へ理解のある薬剤師の力が必要です。

 

たとえば、加算の適正算定に向けて、日々の業務を工夫できる薬剤師は、経営面でも大きな戦力となるでしょう。

また、在庫管理を適切に行い、期限切れや過剰在庫によるロスを防ぐ意識も大切です。

 

とくに管理薬剤師やその候補を採用する際には、経営者視点を持っているかを見極めることが、長期的な薬局運営の安定につながります。

 

 

2.面接前に準備すべきこと

履歴書と職務経歴書 

採用面接を円滑に進めるためには、事前準備が欠かせません。

漠然とした状態で面接に臨むと、質問が表面的になり、応募者の適性を十分に見極められない可能性があります。 

求める人物像や必要なスキルを明確にする

面接を有意義な時間にするには、あらかじめ自社が求める人物像や必要なスキルを明確にしておくことが大切です。

 

たとえば、在宅調剤に関わる機会が多い薬局であれば、在宅業務の経験や無菌調剤の実務経験医師の往診に同行した経験があるかどうかを確認するとよいでしょう。求める人柄のイメージや条件を事前に洗い出しておけば、応募者の経歴や得意分野を効果的に引き出せます。

 

履歴書や職務経歴書を読み、質問ポイントを整理する

履歴書や職務経歴書をあらかじめ確認し、経歴や資格、これまでの勤務内容を把握しておくことで、聞くべき質問が明確になります。

特定の業務経験や得意分野を深掘りしたい場合は、それに関連した質問をあらかじめ用意しておくと効率的です。

事前準備を丁寧に行うことで、質問の重複や聞き漏れを防ぐことができ、短時間でも必要な情報を引き出せるでしょう。

 

自社の特徴や強みをまとめておく

面接では、応募者から企業について質問されることがあります。

このとき、自局の魅力や将来性を十分に伝えられなければ、優秀な人材を逃す可能性があります。

 

事前に事業内容や経営理念、独自の取り組み、研修制度の充実度、今後の事業展開などを整理し、具体的に説明できるよう準備しておきましょう。

自信を持って回答することで、応募者の安心感や入社意欲につながります。

  

 

3.面接官が意識したいポイント

 

:身振り手振りを交えながら説明するスーツ姿の男性 

採用面接において、面接官が意識したいポイントは以下のとおりです。

  • 話しやすい雰囲気を意識する
  • 回答を深掘りして、適性を見極める
  • 自社の良い面だけでなく現状の課題も話す

 

それぞれのポイントについて見ていきましょう。

 

話しやすい雰囲気を意識する

面接を有意義な時間にするには、応募者の緊張を和らげ、考えや経験を率直に話せる雰囲気づくりが大切です。

場が張りつめたままだと、本来の力や人柄が見えず、採用側が人材を見極める機会を逃してしまいます。

 

本題に入る前に、天気や最近の出来事など軽い話題でアイスブレイクを行うと、自然な会話が始めやすくなります。

さらに、

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