2025.11.12
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vol.2 PT・OT・STの定着率アップに効果的な取り組みとは?

5分で読めるポイント解説 PTOTST白書2025

『PTOTST白書2025年度版』~「労働実態」「就労・転職志向」とは?~

編集部より

医療や介護の現場で欠かせないPT・OT・ST。利用者の生活を支えるこれらの専門職が、現在、全国的に不足しています。

しかし一方で、「辞めない職場づくり」に成功している事業者も増えています。

 

今回ご紹介するのは、『PTOTST白書2024年度版』から明らかになった、人が定着する職場の共通点です。

「どうすれば、働き続けたいと思える環境をつくることができるのか?」

その答えを、現場のリアルな声とともにお届けします。

 

編集・構成/メディカルサポネット編集部

 

1. 労働環境改善・定着のための取り組みの現状

1. 労働環境改善・定着のための取り組みの現状  

PT・OT・STの労働環境改善・定着のために何らかの取り組み(人員の確保・勤務シフト・業務効率化・待遇改善など)を実施しているか尋ねたところ、以下のような回答となりました。

  • 「実施している」47.3%
  • 実施を予定・計画している」17.0%
  • 取り組む必要があるが、余裕がなく実施できていない」17.0%
  • 取り組む必要がないので実施していない(すでに働きやすい環境である)」13.8%
  • 「取り組む必要があるが、大きな問題となっていないので実施していない」4.9%
 

調査によると、全体の86.2%もの事業者が、PT・OT・STの労働環境の改善や定着促進に向けた取り組みが「必要である」と感じていることが明らかになりました。

 

それほど多くの現場が課題を認識しているにもかかわらず、実際に計画や実施にまで進められているのは、そのうちわずか約4分の1にとどまっています。人材確保が年々難しくなる中で、「必要性は理解しているものの、どこから手をつければよいかわからない」という声も少なくありません。

 

では、すでに取り組みを始めている事業者は、どのような工夫で職員の定着率を高めているのでしょうか。

次に、その具体的な取り組み内容を見ていきましょう。

 

 

2. 労働環境改善・定着のための具体的な取り組み

2. 労働環境改善・定着のための具体的な取り組み

 

    PT・OT・STの労働環境改善・定着のために何らかの取り組みを「実施している」「実施を予定・計画している」と回答した144事業者に、どのような取り組みを実施/計画しているか尋ねたところ、上位に以下が挙げられています。
  • 「時間外労働の削減」68.8%
  • 「休暇の取得促進」65.3%
  • 十分な職員数の確保59.7%
  • 「教育・研修・スキルアップ支援」56.3%
  • 賃金引き上げなどの待遇改善」50.7%
  • 育児・介護支援」48.6%

 

取り組みの内容を見てみると、最も多かったのは「時間外労働の削減」(68.8%)や「休暇の取得促進」(65.3%)といった働き方の見直しに関するものでした。

 

また、「十分な職員数の確保」(59.7%)や「教育・研修・スキルアップ支援」(56.3%)など、人材を“育てて支える”取り組みも目立ちます。

 

さらに、「賃金引き上げなどの待遇改善」(50.7%)や「育児・介護支援」(48.6%)など、職員一人ひとりの生活やキャリアを支える制度づくりにも多くの事業者が力を入れていることが分かりました。

 

では、実際にはどのような取り組みが、効果が高いのでしょうか。

  

 

3. 効果が高いと感じている取り組み

3. 効果が高いと感じている取り組み

 

PT・OT・STの労働環境改善・定着のために何らかの取り組みを「実施している」と回答した106事業者に、実施しているもののうち、どの取り組みの効果が高いと思うか尋ねたところ、上位に以下が挙げられています。

  • 「休暇の取得促進」50.9%
  • 時間外労働の削減」49.1%
  • 「賃金引き上げなどの待遇改善」31.1%
  • 「職員間のコミュニケーションの活性化・円滑化施策」31.1%
  • 育児・介護支援」30.2%
  • 教育・研修・スキルアップ支援」27.4%
  • 十分な職員数の確保」25.5%
  • 勤務インターバルやシフトの組み方など、勤務形態の工夫25.5%

 

本調査の自由回答欄に寄せられた実例には次のようなものがありました。

 

病院事務・人事部門管理職:余裕のある業務のために人員の確保を計画している。また、休暇の取得に関しては、入職時からの有給休暇付与や時間単位での有給休暇取得などの取り組みを行っている。

病院その他時間外労働削減のため、勤務時間内で完結できる仕事内容や量に調整している。残業は必要時にたまに行う程度として考え、管理している。

■【病院】事務・人事部門管理職:賃金、人間関係(配置転換)、休暇の取得。

■【訪問看護ステーション事務・人事部門管理職:子連れ出勤OK。子供の発熱などの急な休みにも対応できる体制と、職員間の良好なコミュニケーション構築。

■【病院】事務・人事部門管理職:育児支援として、産休・育休の取りやすい環境、育休復帰後も働きやすい勤務形態や休暇の取りやすい環境になっている。

■【介護福祉施設(施設サービス)事務・人事部門管理職:適切なスキルを持った職員による定期的な1on 1の実施。

 

  

 

4. まとめ

今回のデータから、PT・OT・STが安心して働き続けられる環境をつくるためにはワークライフバランスの整備や人員の充足が欠かせないことが明らかになりました。

 

スタッフ一人ひとりが無理なく力を発揮できる環境こそが、組織全体の活力にもつながります。

 

今後も、PT・OT・ST白書のデータをもとに、現場の課題や改善のヒントをお伝えしていきます。

  

 

↓全調査結果は、こちらよりダウンロードできます(会員登録無料)↓

セラピスト639人のリアル 労働・雇用実態調査 『PTOTST白書2025年度版』~「労働実態」「就労・転職志向」とは?~

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