現場で役立つ!看護マネジメント入門~第10回 看護マネジメント力の磨き方      

    

編集部より

看護管理を実践するには、患者さんに安全で安心な看護を提供するための優れたスキルだけでなく、看護師を適切に導くための現場管理、リーダーシップ、組織運営、コミュニケーションなどにまつわる力を身に付けることが求められます。

本連載では、看護師を適切に導くための現場管理、リーダーシップ、組織運営、コミュニケーション能力など、看護マネジメントに関するさまざまなテーマを解説しています。

 

これまで9回にわたり、管理者に求められる能力や役割、コミュニケーションの取り方、スタッフや自分自身を支える方法について学んできました。

最終章となる今回は、知識習得やスキル向上に役立つ資格制度を紹介し、組織を運営する一員として、ここまでの学びをどのように発展させていくかを考えます。 

  

執筆株式会社ナレッジリング

編集メディカルサポネット編集部

          

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1.学び続けるからこそ、管理者も成長できる

1.学び続けるからこそ、管理者も成長できる

   

管理者になった当日から、その役割を完璧にこなし、バリバリと活躍できる人などいません。

今、目の前で堂々と振る舞っている先輩たちも、数えきれない失敗と成功を重ねながら成長してきたのです。

大切なのは、生まれ持った才能ではなく、挑戦を続けてきた「経験」です

たとえ優れた感性やセンスを備えていたとしても、それだけでは不十分。

試行錯誤を繰り返しながら進化し続ける姿勢こそが、自分を大きく育て、周囲を導く力となります

その歩みは、他者の胸を打つエピソードとなり、人の心を揺さぶるエネルギーにもなるはずです。 

 

「自分は管理者に向いていない」「スタッフ時代の方がよかった」と悲観する必要はありません。

新人看護師として挑戦を重ねてきたように、管理者としても1年目、2年目と経験を積みながら磨きをかけていけばよいのです。

そのためには、日々の業務を通して学ぶだけでなく、知識の習得やスキル向上の「指標」となるものを活用すると、成長をより実感しやすくなるはずです。

そこで今回は、看護管理者に関連する研修や資格をいくつか紹介します。

 

 

だからこそコーチングを学び、コミュニケーションや関わり方を見直すことには大きな意義があるのです。

 

 

2.すぐに現場で生かせる!3つのスキルアップ法

2.すぐに現場で生かせる!3つのスキルアップ法  

まずは、管理としての実践に、すぐにつながる資格制度や研修をご紹介します。 

1.認定看護管理者制度

日本看護協会が運営する制度の一つに「認定看護管理者制度」があります。

これは、専門看護師や認定看護師と同様に、管理者として優れた資質を持ち、創造的に組織を発展させる能力がある人物を認定するものです。

多様なニーズを抱える患者さんや家族、地域住民に対する質の高い組織的看護サービス提供を目的とし、看護管理者としての資質および看護水準の維持・向上を通じて、保健・医療・福祉に貢献することをめざして創設されました。 

 

この資格は、次の3項目をすべて満たしている方が受験できます。 

(1)日本国の看護師免許を有していること 

(2)看護師免許を取得した後、通算5年以上実務経験があること 

(そのうち通算3年以上は看護師長相当以上の看護管理の経験があること) 

(3)日本看護協会が指定する学習要件を満たしていること 

 

審査は、書類審査と筆記試験によって行われます。

筆記試験(試験時間120分)は、マークシート方式の四肢択一による客観式一般問題(20問)と、論述問題(2問)で構成されます。

認定審査に合格し、登録手続きを完了した方は「認定看護管理者」として認定されます。

資格の有効期間は5年間であり、継続を希望する場合は、5年ごとに書類審査による更新が必要です。 

 

参照元:日本看護協会「認定看護管理者」 

2.ファシリテーション研修 

ファシリテーション研修では、場づくりの技術、進行に必要な基本スキル、対話を深めるスキル、問題解決の方法などを学びます。

研修の開催例としては、日本看護協会や各地域の看護協会が主催する「ファシリテーション研修」、医療安全学会や病院協会が行う「多職種協働研修」などがあります。 

 

病棟内のカンファレンスや委員会、看護部の会議など、話し合いの場面は数多くあります。その際、参加者の意見を引き出し、納得のいくかたちで合意や決定を導くことが理想的です。

 

しかし、慌ただしい現場では、開始時刻が遅れたり、途中で連絡が入って会議が中断したりと、落ち着いた雰囲気で話すことが難しい場合も少なくありません。

また、医師や薬剤師など他職種との意見交換では、立場の違いから意見がぶつかり、その場の雰囲気が悪くなることもあります。

 

そこで、できるだけ中立的な立場で余計な摩擦を減らし、協働しやすい雰囲気で話し合いを進めるスキルが求められます。

これまで「なんとなく」で行っていたファシリテーションをあらためて学ぶことで、ちょっとした工夫の仕方に気付き、以前より自信を持って実践できるようになるはずです。

 

3.コーチング研修

コーチング研修では、傾聴のスキル、質問の技術、承認やフィードバックの方法、目標設定やマインドセットなどを学びます。

開催例としては、全国各地で提供される企業やスクールによる研修があり、一日完結型やオンライン研修など、さまざまな方法で学ぶことが可能です。

 

管理者として活躍する上でとりわけ重要なのが、部下の育成です。

よりよい後進を育てることは非常に重要な役割ですが、指導の方法をあらためて学ぶ機会がなければ、手探りで進めるしかありません。

 

しかし、自分が先輩から教わった当時の方法をそのまま試しても、うまくいく場合もあれば、思うように成果が得られないことも増えてきているようです。

これは、部下の特性が一人ひとり異なることに加え、時代の変化や多様な価値観が影響しているためです。

特に近年では「○○ハラスメント」といった表現が飛び交うようになり、従来の指導方法だけでは十分に機能しにくくなっていると言えます。 

 

  

3.医療安全や経営の知識で、活躍の幅を広げよう!

3.医療安全や経営の知識で、活躍の幅を広げよう! 

続いて、さらなる余力があり、管理者としての道を究めたい方にお勧めの資格を2つご紹介します。

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