2025.08.25
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第7回 看護スタッフと円滑なコミュニケーションを取るには?

現場で役立つ!看護マネジメント入門

第7回 看護スタッフと円滑なコミュニケーションを取るには?          

編集部より

看護管理を実践するには、患者さんに安全で安心な看護を提供するための優れたスキルだけでなく、看護師を適切に導くための現場管理、リーダーシップ、組織運営、コミュニケーションなどにまつわる力を身に付けることが求められます。

本連載では、看護師を適切に導くための現場管理、リーダーシップ、組織運営、コミュニケーション能力など、看護マネジメントに関するさまざまなテーマを解説しています。

 

これまで6回の連載を通して、管理者に求められる能力や考え方についてお伝えしてきました。

しかし、これらを現場で実践するためには、看護スタッフ間の円滑なコミュニケーションが欠かせません。心地よいコミュニケーションは、看護の質に大きな影響を与えるだけでなく、働きやすい職場づくりや離職防止にも深く関わります。

そこで今回は、「個人」と「チーム」それぞれへの関わり方について解説します。コミュニケーションの重要性について、あらためて考えていきましょう。  

  

執筆株式会社ナレッジリング

編集メディカルサポネット編集部

          

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1.円滑なコミュニケーションが必須になる理由

1.円滑なコミュニケーションが必須になる理由

   

チーム内のコミュニケーションがうまくいかないと、現場にはさまざまな悪影響が生じるでしょう。

患者さんに対して最低限のケアを提供することはできても、スタッフ同士の会話が減り、笑顔も見られず、それぞれが単独で業務をこなすような状態では、職場にギスギスした空気が漂い、精神的な快適さは失われていきます。

そのような状態が続くと、患者さんに向ける表情も曇り始め、看護業務が嫌になってしまうスタッフが出てくる可能性も。

さらに、注意力の低下によるミスやスタッフ間の不十分な引き継ぎなど、看護の質が不安定になる恐れもあります。 

 

一方、チーム内のコミュニケーションが良好であれば、病棟には明るく前向きな雰囲気が生まれ、患者さんにも笑顔で接することができるでしょう。困った時には相談し合い、患者さんの体位変換や移乗などでも自然と協力し合える文化になっていきます。

こうした職場では、スタッフが安心して看護スキルを発揮できるため、看護技術が着実に磨かれ、個々の成長にもつながります。

 

つまり、めざすべき「安心・安全な看護」は、個人の努力だけでは実現できず、良好な関係性チームワークがあってこそ提供できるのです。

管理者のコミュニケーション能力は、職場内の信頼関係やチームワークを築き、強化していく上で、極めて重要な役割を担っていると言えるでしょう。 

 

2.管理者は「4つの公平性」を心がけよう

管理者が看護スタッフと円滑なコミュニケーションを図るための前提として、良好な関係性が築けていることが求められます。互いによい印象を持てていない状態で言葉を交わしても、かえって距離が生まれてしまうこともあるからです。

 

そこで知っておきたいのが、「4つの公平性」です。これは1960年代以降に欧米で盛んに研究されてきた概念で、組織における公平性を保つための要素として「分配公平性」「手続き公平性」「情報公平性」「対人公平性」の4つが示されています(図1)。 

 

●分配公平性

業務量、成長の機会、シフト調整などの配分が公平であるかどうかを指します。

例えば、明確な理由もなく、担当する患者さんの人数や重症度に偏りがあったり、特定の職員に夜勤や残業が集中していたりすると、不公平感が生まれやすくなります。 

 

手続き公平性

意思決定のプロセスが透明で、誰もが参加できるものかどうかを指します。

教育や評価の基準が明確であること、勤務体制や方針の決定に際して広くスタッフの意見を反映していることなどが求められます。 

 

情報公平性

必要な情報が正確かつ十分に提供されているかどうかを指します。

シフト勤務で働く看護師の場合、全スタッフが一堂に会することが難しいので、情報が偏在しやすくなります。

「自分だけ聞いていない」という状況をつくらないように、情報伝達のタイミングや方法を工夫することが重要です。

 

対人公平性

日々の関わりの中で、敬意、配慮、誠実さが保たれているかどうかを指します。

特定のスタッフにだけ親しく接したり、逆に一部のスタッフに対してのみ指導が厳しかったりすると、周囲に不信感や居心地の悪さを与えてしまいます。すべてのスタッフに対して公平な姿勢で接することが、安心感と信頼感のある職場づくりにつながります。 

 

管理者は「4つの公平性」を心がけよう

図1 4つの公平性

 

 

3.看護の仕事に欠かせない、心理的安全性とは?

3.看護の仕事に欠かせない、心理的安全性とは? 

もう一つ知っておきたいのが、「心理的安全性」という言葉です。これは、自分の考え、疑問、不安などを安心して表明できる状態のこと。看護の現場は、命を扱うという特性から、常に一定の緊張感やストレスを抱えやすい環境です。

適度な緊張はヒヤリハットの防止や安全な看護の提供に役立ちますが、過剰になるとパフォーマンスの低下を招き、ミスにつながる恐れもあります。

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