2026.02.05
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vol.5 介護職員はどのくらい有給休暇を取得している?
「休めない…」の背景にあるものとは?

5分で読めるポイント解説 介護職白書2024

介護職白書2024

 

 

編集部より

2019年4月、働き方改革法案の成立を受けて労働基準法が改正され、企業には、年間10日以上の有給休暇が付与される労働者に対し、5日以上の取得を確実にさせることが義務付けられました。

一方、介護現場では慢性的な人手不足が続いており、「有給休暇を十分に取得できていない」と感じる介護職員も少なくありません。

 

本記事では、こうした背景を踏まえ、介護職員における年次有給休暇取得の実態について解説します。

あわせて、厚生労働省の年次有給休暇取得促進特設サイトに掲載されている『企業向け自己診断ツール(無料)』もご紹介します。

職員の働き方や休み方の現状把握に、ぜひご活用ください。

 

編集・構成/メディカルサポネット編集部

 

1.介護職員は、1年間でどのくらい有給休暇を取得できているか?

1.介護職員は、1年間でどのくらい有給休暇を取得できているか?

 

前年度に有給休暇の取得実績がある849人に、現在の職場の1年間の有給休暇の取得日数(前年度の取得実績、勤続1年未満の場合には今年度実績)を尋ねたところ、以下のような回答となりました。

 

  • 「5~9日」32.2%
  • 「10~14日」31.8%
  • 「1~4日」16.5%
  • 「0日」6.8%
  • 「20日以上」6.7%
  • 「15~19日」6.0%

    

有給休暇の取得日数には、職場ごとに大きな差が見られます。2

019年4月の労働基準法改正により、年10日以上の有給休暇が付与される労働者には年5日以上の取得が義務付けられましたが、5日未満や0日と回答した層も一定数存在します。

取得できていない要因としては介護職員数の不足」が最も多く、代替体制の未整備や取得しにくい職場風土業務量の多さが背景にあります。人員配置や業務設計の見直しと、休暇を取りやすい仕組みづくりが重要と言えるでしょう。

 

   

2.有給休暇の取得を促進する取り組み、行っていますか?

2.有給休暇の取得を促進する取り組み、行っていますか?  

2019 年4月から、年5日以上の有給休暇の取得が義務付けられました(※)

介護職員の有給休暇の取得を促進するための取り組みを実施しているか尋ねたところ、以下の結果となりました。

  • 「有給休暇を取得しやすくする取り組みが実施されている」70.4%
  • 「有給休暇を取得しやすくする取り組みが実施されていない」29.6%

※労働基準法が改正され、年10日以上の有給休暇が付与される労働者に対して、年5日以上取得させることが雇用主に義務付けられました。

 

   

3.具体的に、どんな取り組みを実施・計画してますか?

3.具体的に、どんな取り組みを実施・計画してますか?

 

介護職員の有給休暇の取得を促進するための取り組みを「実施している」「実施を予定・計画している」と回答した事業者に、どのような取り組みを実施/計画しているか尋ねたところ、以下のような傾向が見られました。

  • 「病気休暇など不測の事態の休暇を有給休暇として扱う」45.0%
  • 「時間単位・半日単位で有給休暇を取得できる」39.6%
  • 「長期休暇・連続休暇を取得できる」26.8%
  • 「誕生日など決まった日や申告した日を有給休暇とする」23.3%
  • 「休んだ人の業務をサポートする体制がある(チームフォロー・代替人員確保など)」13.7%
  • 「有給休暇の計画的取得を実施している(労使協定による割り振り)」10.3%

 

有給休暇を取得しやすくするための取り組みは、制度面の工夫と現場の支援体制の両方が重要であることが分かります。

時間単位・半日単位の取得や不測の事態に対応できる柔軟な制度は一定程度浸透している一方、業務をカバーする体制づくりまだ十分とは言えません。有給給休暇の取得促進には、休みやすい制度設計に加え、取得を現場で支える仕組みを整えることが不可欠だと言えるでしょう。

   

  

4.実施している取り組みで効果が高いことは?

介護職員の有給休暇の取得を促進するための取り組みを「実施している」と回答した事業者に、実施しているもののうち、どの取り組みの効果が高いと思うか尋ねたところ、以下のような回答となりました。

4.実施している取り組みで効果が高いことは? 

介護職員の有給休暇の取得を促進するための取り組みを「実施している」と回答した事業者に、実施しているもののうち、どの取り組みの効果が高いと思うか尋ねたところ、以下のような回答となりました。

  • 「適正な人員の配置・業務量の削減」45.7%
  • 「長期休暇・連続休暇を取得できる」43.1%
  • 「休んだ人の業務をサポートする体制作り(チームでのフォロー、代替人員の確保など)」40.0%
  • 「時間単位や半日単位で有給休暇を取得できる」32.1%
  • 「病気休暇など、不測の事態の休暇を有給休暇とする」30.2%
  • 「誕生日など、決まった日や申告した日を有給休暇とする」25.0%
  • 「上司からの呼びかけなど、取得しやすい雰囲気作り」23.3%

 

有給休暇を取得しやすい職場を実現するには、適正な人員配置と業務量の見直しを前提に、休んだ職員の業務を支えるサポート体制を整えることが不可欠です。

あわせて、時間単位取得などの柔軟な制度設計や、取得を後押しする仕組み・雰囲気づくりを組み合わせて進めることが重要だと考えられます。 

      

実際に効果が高いと評価されているのは、適正な人員配置や業務量の見直し、チームで業務を支え合う仕組みづくりです。

これに加えて、時間単位取得などの柔軟な制度や、上司からの声かけといった**「休みやすい雰囲気づくり」**を組み合わせて進めることが、実効性のある有給休暇取得につながると言えるでしょう。

vol.4  介護職員はどのくらい有給休暇を取得している?「休めない」の背景にあるものとは?

ワンポイントアドバイス

介護施設の経営者・管理者様は職員の有給休暇の取得実績や労働時間の把握をできていますか。

今回ご紹介するのは厚生労働省・年次有給休暇取得促進特設サイト内にある 「企業向け自己診断ツール(無料)」 です。

まずはこのツールを活用し、職員の働き方・休み方の実態を把握しましょう。

その後、貴院・貴社の方針や目標設定、制度や取り組みの設計などを行い、 働きやすい職場環境づくりを行っていきましょう。

 

 

5.まとめ

今回は、介護職員の有給休暇取得の実態と、取得を促進するための取り組みについて整理しました。

調査結果からは、有給休暇の取得日数に職場ごとの大きな差があり、法令で義務付けられている「年5日以上」を満たせていないケースも一定数存在することが明らかになっています。

 

また、多くの事業所で取得促進に向けた取り組みは行われているものの、その効果を左右しているのは、制度の有無だけではありません。

介護職員数の不足や業務量の多さ休んだ人をカバーする体制の未整備といった現場の課題が、休暇取得の大きな壁となっています。

  

 

  

↓全調査結果は、こちらよりダウンロードできます(会員登録無料)↓

介護職白書2024

 

 

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