2022.04.14
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【新連載!】攻めの中小病院経営 ~事務部門が動かすヒト・モノ・情報~

vol.1診療報酬改定対応へのロードマップを持っていますか?

 

 

 

編集部より

新型コロナウイルス感染症の影響を受け、経営・人材確保・収益化など、病院はさまざまな課題に直面していることがこれまで以上に浮き彫りとなりました。それらの課題解決のための取り組みが、必ずしも改善に結びつくとは限らず苦戦する病院もあるようです。本コラムでは、熊本県甲佐町にある谷田(やつだ)病院で事務部長を務める藤井将さんに、病院において大きな役割を担う事務部門のリアルな実践方法について解説いただきます。第1回のテーマは4月に改定された診療報酬についてです。例年2月頃からざわつき出しますが、どうやら闘いは前年の7月から始まっているようです。藤井さんの動きを振り返りながら、直前に慌てることなく対応できる方法を考えます。記事の最後には診療報酬改定までの流れや自院でやるべきことをまとめた一覧表を掲載していますので、そちらも併せてご確認ください。

 

 

診療報酬改定までのスケジュール

皆さん初めまして。熊本県の片田舎、甲佐(こうさ)町にある谷田(やつだ)病院で事務部長をしている藤井将志です。現職に就いて8年目となりました。それまではコンサルタントやアドバイザーとして、いくつかの医療機関の経営支援をさせていただいていました。谷田病院では、事務部長の役割とは何かを日々模索しながらチャレンジしています。最近では、活動の領域が院内にとどまらず、コミュニティホスピタルをめざしてまちづくりにも参画しています。 院内での人事労務・業務改善・広報活動など、私が日々取り組んでいることをお伝えします。少しでも皆さんの参考になれば幸いです。  

    

4月1日、新入職員への対応に加え今年は診療報酬改定があったので、慌ただしい新年度を迎えました。「感染対策向上加算」をはじめとした新たな加算が加わり、事務部門はその準備に追われたことと思います。2年に1度の診療報酬改定について、院内で私がどのように対応を進めているかをお伝えしましょう。診療報酬改定に関するスケジュールは図表1のように進んでいきます。このスケジュールに合わせて、院内でどのような対応をしていくべきでしょうか。

 

図表1:診療報酬改定のスケジュール

 

攻めの中小病院経営 メディカルサポネット 藤井将司 診療報酬改定

 

 

まず、改定前年の7月頃から中医協(中央社会保険医療協議会)で議論が始まります。入院医療や外来医療、働き方改革といったテーマごとに進められます。検討資料は中医協のホームページに随時アップされていきます。余裕がある場合はこうした資料を眺めておくと、おおよそどのようなことが改定の論点になるのか、推測することができます。また、改定の経緯や背景についても、ここで使用される資料を見ておくと分かりやすいでしょう。

 

例えば、今改定の大きな注目事項であった「重症度、医療・看護必要度」については、「入院」に関するテーマで検討されてきました。入院については「その1」から「その8」まで議論されており、うち必要度が中心議題になったのは2回ありました。図表2は令和3年11月10日の中医協総会の資料(入院その2)です。

 

 

図表2:中医協で使用される資料の例

攻めの中小病院経営 メディカルサポネット 藤井将司 診療報酬改定 中医協

出典:厚生労働省中央社会保険医療協議会総会資料(令和3年11月10日)

 

 

この段階から、心電図モニター管理点滴ラインの見直しが行われそうなことは分かっています。資料によっては100ページを超える膨大なものになるので、最終ページに掲載されるまとめの部分だけでも読んでおくと、議論の方向性が分かってきます。

 

この時点では、厚労省の事務局から示された資料というだけなので、決定した内容ではありません。どうなるのか予測することはできますが、この時点で判断して、院内の改善を始めてしまうのは、予測が外れた時に右往左往することになるので良し悪しでしょう。

 

 

 

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