診療報酬改定に合わせて実務者がやるべきことを、時系列に沿って一連の実践を整理していきます。そして診療報酬改定をきっかけに集患に繋げるには?詳しく解説します!

現役病院事務長が語る 診療報酬改定!実務者がやるべきことは?

    

編集部より

病院の事務長、藤井将志さんが、実務者の視点から病院経営について時に辛口解説する今シリーズ。

  

医療業界では、2年に1度の診療報酬改定を目前に控え、各医療機関が対応を迫られています。

しかし、情報収集や院内共有、実務への落とし込みに悩む現場も少なくありません。

 

今回のコラムでは、情報収集から短冊の読み込み、AI活用、集患や連携強化、算定後の検証に至るまで、診療報酬改定を経営に活かす一連の実践を整理します。

改定を単なる「作業」で終わらせず、組織力・競争力向上のヒントが詰まった内容です。ぜひご一読ください。

 

執筆/藤井将志(特定医療法人谷田会 谷田病院 事務部長 藤井将志)

編集/メディカルサポネット編集部

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1. 年明け前後:診療報酬改定の情報収集

1. 診療報酬改定の情報収集 

医療業界の2年に1回の一大イベントである診療報酬改定の協議が進んでいます。

診療報酬改定に院内でどのように対応しているのか、よく聞かれます。

 

まず、年明け前後までは情報収集期間です。谷田病院では、診療報酬に限らず、仕事に関係する研修に参加する費用は制限することなく許可しています。この時期にはいろいろな勉強会が開かれるので、各人が参加して情報収集に当たります。

個人的には、この期間に中医協(中央社会保険医療協議会)の議論で使う資料に目を通すようにしています。

各種団体が収集したさまざまな調査結果から診療報酬の改定案が提示されます。すべてが採用されるわけではありませんが、どんな議論がされているのか、どんなデータが詰まっているのかが、分かりやすくまとまっています。

 

こうして集まった情報の院内での共有方法ですが、これまではメールや会議でしたが、この1年でチャットツールが浸透したので、所属長が入っているスレッドに勉強会資料やURLを共有するだけで済むようになりました。

今回の改定からはそれを活かして、院内の情報共有を図りたいと思っています。

 

年明けくらいに、院内でも講師を招いて勉強会を行います。

一般的な議論ではなく、当院においてどのような改定の影響があるのか、外部の視点も入れて教えてもらいます

外部の勉強会への参加もそうですが、複数の講師の話を聞くことで、漏れていた視点や政策の動向への考え方などを学ぶことができます。診療報酬改定という同じテーマなので共通する項目も多いですが、何度も聞くことで頭にも入ってきます。

2年に1度の政策の動向を掴むためには、惜しまずに時間を投下するべき内容だと思っています。

 

 

2. 短冊の読み込みと点数確定後の対応

2. 短冊の読み込みと点数確定後の対応

 

そしていよいよ、短冊と呼ばれる診療報酬改定の詳細が公開されると、その内容の読み込みを行います。

自分たちに関わるところだけではなく、すべての改定項目に目を通すようにしています。そしてその中から、院内の各部署に関係するところは取りまとめて、より細かく読み込んでもらったり、各分野でどんな反応があるのかアンテナを張ってもらいます。前回の改定までは生成AIがなかったので、この作業は自力でやっていましたが、今年は公開されるデータをAIに読み込ませて、リストを作ってもらったり、深掘りしたりすることができると思っています。

 

そもそも厚生労働省が診療報酬改定専用のAIを公開するほうが望ましいと思いますが、今回の改定ではまだ実現しないでしょう。大量の情報のまとめやシミュレーションといったことは、AIの得意分野です。今回の改定時に、いろいろと試してみようと思っています。

 

数日で短冊に点数が入ったものが公表されます。この時点で基準に該当するか、点数の変化でどのぐらいの収益インパクトがあるのか、シミュレーションできるようになります。それを踏まえて、新規に施設基準を届け出するのか、しないのか、といったことを決めていきます。さらに、事務職員の勉強も兼ねて、院内の勉強会をしてもらいます

診療報酬の改定内容を説明できることは、病院経営を担う人材として最低限の知識だと思っています。

 

3. 改定を集患対策に活用する

 

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