2025.12.15
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現役病院事務長が語る
人口1万人の町に「これは!」と思う人材に来てもらう方法

— 地方病院の採用成功術とは?三顧の礼とネットワーク活用法—

地方病院かつ、中~小規模病院での採用に悩んでいませんか?若者の人口減少や都市部への人材流出で人材獲得競争に厳しさが増す中、日常の出会いから“これは!”と思える人材を見つける具体的な方法を紹介します。

現役病院事務長が語る人口1万人の町にこれは!と思う人材に来てもらう方法

    

編集部より

病院の事務長、藤井将志さんが、実務者の視点から病院経営について時に辛口解説する今シリーズ。

  

人口1万人の町では、病院が欲しい人材に出会える機会は限られています。

では、その中でどうすれば「この人に来てほしい」と思える人材を惹きつけられるのでしょうか。

 

今回のコラムでは、筆者が転職した実体験を出発点に、採用の現場で得た気づきを紐解いていきます。

三顧の礼に通じる粘り強いアプローチや、勉強会・日常の出会いから“これは!”と思える人材を見つける具体的な方法も紹介します。

 

中~小医療機関でも再現できる実践的な視点をまとめました。ぜひご一読ください。

 

執筆/藤井将志(特定医療法人谷田会 谷田病院 事務部長 藤井将志)

編集/メディカルサポネット編集部

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1. 谷田病院に転職したきっかけ

谷田病院に転職したきっかけ 

人口1万人の田舎町にあり、都市部から車で1時間、病床数100床の小規模医療機関、県内外に対して特別有名でもない。

そんな医療機関に、どうして筆者が10年前に転職したのか、お伝えします。

 

当時の筆者は、病院の事務長としての実務経験はなく、大学新卒で病院専門のコンサルティング会社で経験を積み、フリーランスで活動していました。医療現場の経験者がコンサルタントになることもありますが、逆にコンサルタントで現場に入りたがっている人も一定数いるでしょう。筆者はその後者の1人でした。

 

その時点で500床超クラスの急性期病院や日本有数の病院グループの本部などで経営支援をした経験があり、ブランド病院や大規模病院への憧れはありませんでした。

逆に、組織の規模としては300人未満で職員間の顔がわかる規模感がいいなと思っていました。

 

勤務場所はあまりこだわっておらず、全国どこにでもいいので、最初から事務長で採用してくれる病院を探しました。

転職活動時は29歳で事務長経験もないため、ハードルが高いことは分かっていました。活動中に周囲から厳しいご指摘もされたくらいです。

 

一般求人から検索したのではなく、今でいうリファラル採用を求職者側から行ったようなものです。それまで出会った医療関係の人たちに転職の希望をメールし、雇ってくれるところがないか尋ねました。

いくつかの病院から詳細を調整する返信があり、見学や面接を経て、最終的に谷田病院に決めました。

 

いろいろ理由はありますが、決め手は何だったのかと問われて振り返ると、筆者のボスにあたる院長(兼理事長)が熱く誘ってくれたというのが決定打でした。

 

 

2. 三顧の礼で口説き落とす

三顧の礼で口説き落とす

 

当時筆者は沖縄に住んでいたのですが、採用決定の前に二度院長が来沖し面会をしてくれました。

 

さらに採用決定後にも「将来をどうしようか」とディスカッションしに来てくれました。私が入職前に熊本に行ったケースも含めると、頻回に会って話したことになります。他の候補病院で、沖縄まで来てくれた理事長や採用担当者はいません。

 

この経験は、その後の筆者自身の採用手法の一つとなっています。

“この人だ!”と思った人には、何度もアプローチをして、面会でも会食でも何でもいいので誘い、とにかく会いに行きます。ときには年単位の時間がかかることもありますが、いつその時が訪れるか分からないので、いい感じの距離感を保ちつつアプローチをし続けます。こうして採用できた人は何人もいますし、現在もアプローチ中の人もいます。

 

「三顧の礼」という言葉があります。中国の三国志で劉備が諸葛亮を軍師として迎えるために、身分の高い自分から何度も草庵を訪ね歩いたという故事です。一度断られたからと言ってあきらめるのではなく、「この人と一緒にやりたい」と思えば、時間と手間をかけてでも自ら足を運ぶ。

 

「そこまでして来てくれた」という体験は、候補者の心に強く残り、その後の信頼関係やコミットメントの土台になると感じています。

 

 

3. 勉強会で人材を見つける

勉強会で人材を見つけるl

  

病院側の立場に立つと、筆者の事例のように、求職者から連絡をもらうという機会はほとんどないでしょう。

そこで、どうやって採用したい!という人材を見つけるのか。唯一無二の正解はなく、あらゆる手立てを講じることが必要でしょう。

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