2019.04.16
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中止すべき薬剤、一覧表で共有を―医療機能評価機構

メディカルサポネット 編集部からのコメント

日本医療機能評価機構医療事故防止事業部は4月15日に医療安全情報報(No.149)を公表し、薬剤の中止の遅れによる手術・検査の延期に関する7件の報告を挙げ注意喚起を行いました。その中では2例の事例を取り上げ、その後の取り組みも紹介し、再発防止の取り組みとして薬剤の一覧表も作成し周知しています。

例えば、糖尿病や心疾患を抱えながら胃がんの手術を受けるというケースも珍しくありません。手術・検査の延期によって生じる再入院や再受診は、患者・家族の負担になることはもちろん、病院側にとっても手術・検査スケジュールの見直し等の不利益が生じることから、各部門・各職種間での連携がより一層求められています。

  

日本医療機能評価機構は15日、薬剤の中止指示が遅れたことで予定していた手術や検査が延期された事例が今年2月までに7件報告されているとして、医療関係者に注意喚起を行った。再発防止に向けては、手術・検査を計画する際に患者の内服薬を把握して休薬すべき薬剤を確認した上で、一般名も記載した一覧表を作成して院内で周知するなどの取り組みを紹介している。

  

同機構が発出した「医療安全情報No.149」によると、観血的医療行為前に中止する取り決めがある薬剤の確認漏れや中止指示の未実施により、手術・検査が延期になった事例は、2014年1月~19年2月に7件報告された。

 

肺癌疑い患者の気管支鏡検査が中止になった事例では、外来主治医が問診票の「抗血小板薬内服あり」の欄の○印を見落とし、「タケルダ配合錠」(アスピリン/ランソプラゾール)を中止しなかった。さらに、入院時に研修医がタケルダを胃薬だと思っていたために、持参薬報告書の「アスピリン 7日間休薬が必要」との記載を見逃した。検査当日、検査室の看護師によりタケルダを内服していることが判明し、検査を中止した。

 

 

 出典:日本医事新報社

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