2019.04.15
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性格統計学の活用で人間関係が良好に(稲場真由美)

最高のチームをつくる聞き方・伝え方のルール【前編】

 

報告したつもりが伝わっていなかった、褒めたつもりが好意的に受け止めてもらえなかった。

小さなコミュニケーションギャップがチームに歪みを生み、チーム力を低下させることは、マネジメントに携わる人間であれば誰もが感じていることでしょう。強いチームワークが求められる医療の現場において、チーム力の低下はサービスの質の低下に直結します。

どうすればコミュニケーションギャップを減らすことができるのか――。

その課題を解決する大きな可能性を秘めた「性格統計学」を開発し、注目を集めている株式会社ジェイバンの稲場真由美さんに話を伺いました。(構成/洗川俊一) 


性格統計学を活用すれば人間関係が良好になる

同じことを同じように話してもある人にはスムーズに伝わるのに、ある人にはまるで伝わらない。

それどころか不機嫌にさせることすらある。一緒にいるだけで、居心地がいい人とストレスを感じる人がいる。

不思議ですよね。

 

悪いのは自分でしょうか? それとも相手でしょうか?

答えは、どちらも悪くありません。

 

伝えたと思っても伝わらないし、一緒にいるだけなのにストレスに感じるのは、単に性格が異なるからです。

後ほど詳しく説明しますが、人は4つのタイプに分けられ、わたしたちは4分の3の相手に対してストレスを感じながらコミュニケーションを取っています。

 

「どうしてわたしの思いが伝わらないのだろう?」

そんなことを真剣に考えはじめたのは、かつて生業にしていた営業代理店のビジネスが、人間関係が原因で経営危機に直面してしまったからです。

 

   

そこでわたしは、自分以外の人がどんな考え方をしているのか、どんなことが嫌いなのか、コミュニケーションを取るたびに気づいたことを記録していくことにしました。

対象は、お客様、取引先、スタッフなど仕事絡みの人たちだけではなく、知人や友人、家族などの身内の人たちまで、わたしのまわりにいる人すべてです。

  

データを積み上げてわかってきたのは、人それぞれに受け止め方や求めていることに違いがあるということでした。

それこそ、「ありがとう」という言葉ひとつとっても違いがありました。

「ありがとう」だけで感謝の気持ちが伝わる人もいれば、「○○してくれてありがとう」と何に対しての感謝なのかを具体的に言わなければ伝わらない人がいるのがわかってきたのです。

  

そうしてコツコツと積み上げてきた延べ12万人のデータを解析し体系化したのが、「性格統計学」です。

どう伝えればうまくいくのか、「嫌だな」と思ったときにどう受け止めればストレスを抱え込まずに済むのか。

相手の性格に合わせた伝え方、受け止め方をすると、コミュニケーションギャップが格段に少なくなることを確信しました。

 

人は2つの軸で4つのタイプに分類される

 

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