2019.01.17
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16年のがん患者数、99.5万
全国がん登録に基づく初の全数調査

メディカルサポネット 編集部からのコメント

「全国がん登録制度」は16年1月から開始し、全ての病院に対して、がんと診断された患者データの届け出が義務付けられました。現在がん検診受診率が5割前後と低迷しています。たしかに、がん検診でがんが100%見つかるわけではありません。また、受診者には心理的な負担があります。しかし、がん検診を行うことで、死亡は確実に減少します。2019年は【国民生活基礎調査】における、がん検診受診率の調査年です。より正確な罹患率や生存率等が把握できるようになるため、信頼できる情報源を参考に、信頼できる医療従事者として、がん患者に接して頂けることとなるでしょう。あらためて国立がん研究センターのサイトで、ご確認ください。

 

 厚生労働省は17日、全国がん登録のデータを基に集計した2016年のがん罹患数を発表した。16年に新たにがんと診断された患者の延べ人数は99.5万人。部位別の罹患数では大腸、胃、肺などの順に多かった。全国の病院にがん患者の情報の届け出が義務付けられてから初の調査で、国のがん対策や都道府県の医療計画に活用される。【吉木ちひろ】

  

 「全国がん登録制度」は16年1月から開始。全ての病院に対して、がんと診断された患者データの届け出が義務付けられた。都道府県から指定を受けた診療所もデータを届け出ている。15年までに診断された患者数は国立がん研究センターが集計していたが、協力医療機関が限られていた。

 

 今回の報告によると、16年の1年間にがんと診断された患者数は男性56万6575人、女性42万8499人、性別不詳が58人の合計99万5132人。1人の人で2種類以上のがんが見つかった場合、それぞれのがんを独立して数えるため、罹患数は延べ人数で示している。年齢構成を調整した人口10万人当たりの罹患率は男性469.8、女性354.1。

 

 部位別の患者数は、大腸が1位(15万8127人、15.9%)で、以下は胃(13万4650人、13.5%)、肺(12万5454人、12.6%)などの順。男性は胃(9万2691人、16.4%)、前立腺(8万9717人、15.8%)、大腸(8万9641人、15.8%)の順で多く、女性は乳房(9万4848人、22.1%)、大腸(6万8476人、16.0%)、胃(4万1959人、9.8%)の順で多かった。

 

 調査では、都道府県の罹患率も比較。人口10万人当たりの罹患率は最高の長崎(454.9)と最低の沖縄(356.3)で100人程度の開きがあった。罹患率が高かったのは長崎、秋田(446.3)、香川(436.7)の順だった。

 

 全国がん登録制度で届け出の対象になっている情報には、▽がんの診断を受けた日▽がんの進行度▽がんの発見の経緯―を含む。届け出情報は国立がん研究センターのデータベースに登録され、がん検診が効果的に実施されているかどうかの手掛かりとなることや治療方針への活用が期待できる。

 

 

出典:医療介護CBニュース

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