2019.01.17
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救急車使った医療機関間の転院搬送が8年連続増
消防庁が集計、適正利用呼び掛けても改善せず

メディカルサポネット 編集部からのコメント

総務省消防庁の集計で、転院搬送の件数が8年連続で増えたことがわかりました。また、救急隊が転院搬送した結果、搬送先の医師に入院の必要がなかったと診断された軽症者の割合は昨年中で10%を占めています。限られた医療資源を有効に活用するためにも、緊急性のない転院搬送は、医療機関所有のタクシー又は民間の患者搬送車等をご利用くださいますよう、ご協力をお願いします。

 

 いったん医療機関に収容された患者の症状悪化などに伴い、他の医療機関に搬送するために救急車が出動する「転院搬送」の件数が8年連続で増えたことが、総務省消防庁の集計で分かった。消防庁は救急車の適正な利用を呼び掛けているが、改善の兆しが見えない。【新井哉】

  

 消防庁によると、2017年の転院搬送件数は53万4072件で、前年よりも1万2408件増えた。17年の救急出動件数(634万5517件)のうち転院搬送が8.4%を占めている。

 

 専門的な治療が必要だったり、他の疾病が見つかったが搬送先の医療機関で治療ができなかったりした場合、転院搬送に救急車を使うことが少なくない。しかし、タクシー代わりに使うといった本来の救急業務の範囲外とみられるケースが問題視されており、転院搬送時の適正利用が医療機関に求められている。

 

 消防庁と厚生労働省は16年3月、都道府県に通知を出し、転院搬送のルール化に向け、地域の合意形成を支援するよう要望。緊急性の乏しい転院搬送に関しては、医療機関の病院救急車や消防機関が認定する患者搬送事業者の活用を検討する必要性を挙げている。

 

 

出典:医療介護CBニュース

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