2019.08.21
3

B肝ワクチン、医療機関に必要量に見合った購入を要請―厚労省

メディカルサポネット 編集部からのコメント

B型肝炎ワクチンは2019年10月以降、しばらくの間は2社供給から1社供給になることから、9日付けで厚生労働省は「組換え沈降B型肝炎ワクチン(酵母由来)の安定供給に係る対応について」の通知を発出しました。1社供給となっても需要に大きな変動がなければ、B肝ワクチンが不足する懸念はないものと考えられます。卸売販売業者、医療機関向けては必要量に見合う量のワクチンの購入など、協力を呼び掛けています。

    

0歳児を対象とした定期接種に用いられているMSDのB型肝炎ワクチン「ヘプタバックス」の供給が10月以降継続できなくなる問題に関して、厚生労働省は9日、安定供給の確保に向けた対応を示した通知を発出した。医療機関に対し、必要量に見合う量のワクチンの購入を呼び掛けている。

 

B肝ワクチンを国内市場に供給している2社のうち、MSDは原液製造工程で規格を満たせない事象が頻発したため製造を中止。同社は厚労省に「10月以降供給を継続できなくなり、再開は20年半ば以降になる」と報告した。同省はもう1社のKMバイオロジクス(KMB)に増産を依頼しており、当面の間は安定した供給が続くと見込まれているが、来年9月前後にはKMBの製造ラインのメンテナンス等により供給量が一時的に減る恐れもある。

 

9日付の通知では、MSDが供給を再開するまでの対応として、医療機関に対し、必要量に見合う量のワクチンの購入を要請。3回の接種は同一製剤で行うことが望ましいとしつつ、1歳未満児においては2社のワクチンを組み合わせた場合の互換性が確認済みであるとしている。0.5mLバイアル製剤で0.25mLを接種する場合には、1度針を刺したものは24時間以内に使用することを遵守した上で、できる限り2回使用に努めることも求めた。

 

医薬品卸に対しては、自社と取引実績がない医療機関や新規開設の医療機関から発注があった場合に、不利な取扱いをしないよう配慮を求めている。

      

       

 出典:Web医事新報

この記事を評価する

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

TOP