2019.06.11
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抹茶に不安軽減の効果、メカニズムの一端を解明
熊本大大学院の研究グループ

メディカルサポネット 編集部からのコメント

春から夏にかけての今が新茶のシーズンですが、収穫後に熟成保存が必要な抹茶の旬は秋。最近では抹茶味のスイーツが人気を集め、抹茶は海外でもお馴染みの食材になっています。そんな抹茶に不安を軽減させる効果があることが、熊本大大学院の研究でわかりました。熱水よりも80%エタノールで抽出したエキスに、強い抗不安活性が認められたようです。紅茶にブランデーを入れたティ・ロワイヤルのように、抹茶を使ったカクテルが人気になるかもしれませんね。

   

 熊本大は7日、同大大学院生命科学研究部薬物活性学分野の倉内祐樹助教、香月博志教授らの研究グループが、抹茶に不安を軽減させる効果があることを明らかにしたと発表した。「日本の文化や生活に根付いた抹茶(Matcha)を世界に伝承することで、日常生活から健康を増進できるライフスタイルの提案につながる」などとしている。【新井哉】

   

 抹茶は世界中で嗜好品として親しまれているが、日本では古くは医薬品として扱われていた歴史がある。そのため、さまざまな有益な作用が期待されているが、科学的根拠は十分ではないという。

 

 研究グループは、実験動物の不安様行動を評価する高架式十字迷路試験で、抹茶・抹茶抽出物を摂取させたマウスの不安様行動が軽減されることを見いだし、この効果に不安様行動と関連の深いドパミンD1受容体、セロトニン5-HT1A受容体の活性化を介した機序が関与することを明らかにした。

 

 また、さまざまな抹茶抽出物の抗不安活性を評価したところ、抹茶を熱水で抽出したエキス(水に溶けやすい成分が多く含まれるエキス)に比べ、80%エタノールで抽出したエキス(比較的水に溶けにくい成分が含まれるエキス)に強い抗不安活性が認められたという。この研究成果は「Journal of Functional Foods」のオンライン版に掲載された。

 

出典:医療介護CBニュース

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