2017.09.02
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Vol.02 医師の現場と働き方
~診療科目別「医師の不足感に関する現場認識」~

【医師/マイナビDOCTOR調査】

メディカルサポネット 編集部からのコメント

医師不足問題の様相は、地域的な要因(典型的には都市部と医療過疎地との格差)のみでなく、診療科目によっても大きく変わってきます。診療科目別の医師数の違いを踏まえて、医師の採用戦略を考える必要があります。今回は、「診療科目別の現員医師数・必要医師数」「医師の求人理由」などを徹底解説します。

 




医師の不足感に関する現場認識

医師不足を感じる科は?「1位 麻酔科」「2位 救急科」「3位小児科」
 
全国の病院(20床以上)に勤務する24歳以上の医師を対象とした
「勤務医の就労実態と意識に関する調査」(労働政策研究・研修機構、2012年)によると、
自身の職場で医師が不足していると「非常に感じる」「まあ感じる」人の割合は68.6%でした。
これを診療科別に見ると、「麻酔科」が81.7%ともっとも割合が高く、
次いで、「救急科」(77.8%)、「小児科」(70.7%)、「整形外科」(70.6%)という結果でした。

医師の不足感

【参照】厚生労働省「病院等における必要医師数実態調査」

診療科別の現員医師数・必要医師数

医師が充足している診療科目トップは「リハビリテーション科」
 

診療科別の医師充足度について、別の調査結果ものぞいてみましょう。
「病院等における必要医師数実態調査」(厚生労働省、2010年)によると、
全科の現員医師数16万7063人(短時間正規雇用や非常勤を含む)に対して、
必要求人医師数(※1)は1万8288人、必要非求人医師数(※2)は5744人であり、
合わせて2万4033人の医師が足りていないことが浮き彫りとなりました。
 
現員医師数に対する必要医師数の倍率(※3)を診療科別に見ると、
リハビリテーション科(1.29)がもっとも高く、
「救急科」(1.28)、「産科」(1.24)と続き、
「呼吸器内科」「腎臓内科」「神経内科」「心療内科」「病理診断科」が
同値(1.20)で並んでいます。
前項で挙がった「麻酔科」「小児科」「整形外科」も比較的高めの同値(1.16)でした。

※1 必要求人医師数:増員が必要と考えられ、すでに求人している医師数。
※2 必要非求人医師数:調査時点では求人していないが、増員が必要と考えられる医師数。
※3 (現員医師数+必要求人医師数+必要非求人医師数)/現員医師数

診療科別現員、必要医師数



※ 非常勤は、週当たり延べ勤務時間数を40時間で除して常勤換算した人数である。
【参照】
厚生労働省「病院等における必要医師数実態調査」
 

求人理由(都道府県別)

「現員医師の負担軽減(患者数が多い)」が理由のトップ
 
「病院等における必要医師数実態調査」(厚生労働省、2010年)は、
病院等における医師の求人理由も明らかにしています。関東の一都三県に注目すると、
いずれも「現員医師の負担軽減(患者数が多い)」が求人理由のトップであり、
ほかに「退職医師の補充」「現員医師の負担軽減(日直・宿直が多い)」
「救急医療への対応」といった理由が上位に挙がっています。
  埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県
退職医の補充 14.80% 17.40% 17.10% 17.70%
現役医師の負担軽減(患者数が多い) 30.70% 26.20% 27.90% 31.30%
現役医師の負担軽減(日直・宿直が多い) 13.30% 14.30% 21.00% 18.90%
休診中の診療科の再開 1.20% 3.50% 0.60% 0.60%
休棟・休床している病棟・病床の再開 1.80% 2.80% 1.80% 1.70%
外部機関からの派遣等から医師確保へ 8.90% 9.50% 4.50% 4.10%
救急医療への対応 15.60% 13.30% 18.80% 12.00%
正規雇用が望ましい 10.90% 9.30% 7.00% 11.40%
近々医師の退職の予定があるため 3.00% 3.70% 1.30% 2.10%

【参照】

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 出典:マイナビDOCTOR

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