2020.05.11
3.5

【識者の眼】「それほど専門家ではない専門家がテレビに出ている件」倉原 優

メディカルサポネット 編集部からのコメント

国立病院機構近畿中央呼吸器センター内科の倉原優さんは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する専門家の情報発信で、SNSテレビ番組との違いに注目しています。Twitterはデマも多い一方で真実も多く、「情報を集めるツールとしてはとても良かったと思う」と記しています。

 

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関して、正しい情報を発信している医師はたくさんいる。個人名を出すと失礼になるかもしれないが、北海道大学の西浦博教授や国立国際医療センターの大曲貴夫先生・忽那賢志先生などがそうである(他にもたくさんいらっしゃるが割愛する)。SNSではその信頼度はもはや神様のお墨付きレベルなのだが、なぜだろう、テレビ番組に頻繁に出ている人の中に、あれれ?と思う人がいらっしゃる気がする。もちろん、全員とは言わない。

 

COVID-19患者を1人も診ていない医師がしたり顔で最前線の医療従事者を批判したり、新型コロナウイルスのPCR検査について誤ったコメントをしていたり、よくもそこまで断言できるなぁと感心する。一人の人間として「感想」を述べるのはかまわないのだが、「世の中のみなさん、こうですよ」と間違ったことを流してしまうのは、ちょっとメディアリテラシーが問われる案件だ。

 

COVID-19に関して言えば、Twitterはデマも多いが、インフルエンサーによる真実の流布も相応に多く、情報を集めるツールとしてはとても良かったと思う。しかし、テレビについては、出ているコメンテーターによってはひどいものがあったし、総合得点ではSNSをはるかに下回っている。

 

今回の騒動により、メディアに対するSNSの下克上が進んでいくのではないだろうか。

 

倉原 優(国立病院機構近畿中央呼吸器センター内科)[医療SNS]

 


出典:
Web医事新報 

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