2019.10.29
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デメリットをメリットに変換する

そこが知りたい看護管理 vol.2

看護管理者がどのような思いでスタッフをまとめ、組織を運営しているのか、管理職以外の看護師からはなかなか見えにくい面もあります。大きな責任を背負う一方で、やりがいも大きい看護管理者という仕事にどのように向き合っていけばいいのでしょうか。
本コラムでは、看護管理者として複数の病院を経験し、現在は大学院博士課程で転職者教育の研究を進める森田夏代さんに、自身の経験を踏まえ、皆さんの看護管理の「知りたかった」に応えます。
コラム第2回目は、自施設で課題・問題となりがちなことをポジティブにとらえることで、解決のヒントがみつけられる、そんなアドバイスをくださっています。

執筆・写真/森田 夏代
編集・構成/メディカルサポネット編集部

そこが知りたい看護管理 ~元看護管理者の実践に学ぶ~  vol.2デメリットをメリットに変換する

◆視点をかえてみる

 

10月に入り今年度も下半期に突入しましたが、なかなか秋の気配を感じられないまま過ごしています。皆さんの勤務する施設では、10月は複数人の中途採用者の入職がありませんか。

私が以前勤務していた中小規模病院(医療法人総合病院)では当初、毎月のように中途採用者(経験者採用)の入職がありました。今月は1名、翌月は3名で翌々月は2名などで、毎月の月頭は入職者オリエンテーションを行う日となり、何とか入職者をまとめられないかと頭を悩ませたことがありました。(この点については、改めてコラムのテーマにしたいと思います)

 

私は看護管理の研究をしていますので、中小規模病院の看護部長さんや採用担当の方とお話しさせて頂く機会があるのですが、「離職が多い、職員の経験年数が高い・ワークライフバランスと言って、日勤のみの勤務や時短勤務希望者が多い等など」中途採用(経験者採用)に関する悩みや相談を伺います。

 

ご相談の内容は、一見すると中小規模病院のデメリットに聞こえますが、視点を変えると中小規模病院のメリットになるのではないかと私は考え、管理者の方に以下のようにお伝えしています。

①離職が多い=経験ある看護師の流動性があることで、看護が停滞しないことや、新しいことや人を受け入れやすい環境であるから転職者が集まりやすい

②経験年数が高い=臨床看護経験が豊富であったり、人生経験(育児や介護経験など)が豊富であったりすることで、若い看護師が支援を受けやすい(アドバイスを受けやすい)・どのような看護(いかなる場面や状況になっても)でも対応できる基盤がある

③日勤専従(夜勤をしない)や時短勤務希望者が多い=多様な勤務体制を備えた病院である。誰もが一律の働き方で看護を提供しなくてよい職場である

上記のようなメリットとは考えられないでしょうか?

視点を変えることで、中途採用者の雇用は病院のメリットになると思います。

 

     

      趣味でお菓子教室に通い、クッキーなどを作成するひとときでエネルギーチャージしています

  

◆離職率のパーセンテージに振り回されない

 

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