vol.3 診療報酬加算を活かして
夜勤の看護職員の負担を減らすには?

5分で読めるポイント解説 看護師労働実態調査

慢性化している看護業界の人手不足。
とくに、夜勤帯における看護師の人材確保に頭を悩ませている看護管理者も多いのではないでしょうか。
 
夜間の看護職員の負担軽減を進めるための診療報酬は改定ごとに充実・強化されており、2020年度の診療報酬改定では、「看護職員夜間配置加算」「急性期看護補助体制加算(注加算:夜間看護体制加算)」等の報酬が引き上げられる見込みです。診療報酬加算を活かして夜勤の看護職員の負担を軽減する好循環を実現するためには、どのような施策が必要なのでしょうか。
 
マイナビが独自に看護師の労働実態を調査し、結果をまとめた「看護師白書2019年度版」と、中央社会保険医療協議会によるデータをもとに、夜勤の看護職員の負担軽減について考えていきます。
  
編集・構成/メディカルサポネット編集部

 

夜勤の看護職員の負担を減らすには?

下記は「看護師白書2019年度版」における、夜勤に関する調査結果です。

日勤のみで勤務している691人に、どのような条件があれば夜勤をしてもよいと思うかを尋ねました。

 

 

「夜勤帯の業務負担が少ない(仮眠が取れるなど)」45.0%、「夜勤手当が高い、もしくは別途手当が支給される」44.4%といった労働条件の改善に関する要望が最も多く、僅差で「家族の理解・協力がある」42.5%が続いています。

また、子育て世代では「夜間の保育制度がある」などの支援の充実より、「急な夜勤の休み・変更も対応してもらえる」など、勤務シフトの柔軟性がより求められているようです。

  

夜勤看護師の人員を確保するためには、夜勤手当や雇用に回せるだけの財源と、業務負担の軽減につながる労働環境の整備が重要と考えられます。

 

✔診療報酬加算を活用する

✔成功事例から見る負担軽減策

 

押さえておくべき2つのポイントを、順に解説していきます。

 

 

診療報酬加算を活用する

医療従事者の働き方改革の推進により、夜間の看護職員の負担軽減を進めるための診療報酬加算は改定ごとに充実・強化されています。2020年度の診療報酬改定では、看護職員夜間配置加算(10点引き上げ)急性期看護補助体制加算(注加算:夜間看護体制加算/30点引き上げ)など、「夜間における看護職の負担軽減に向けた取り組み」を進めることで算定できる報酬が引き上げられる見込みです。

 

同加算を算定するための施設基準として、「夜間における看護業務の負担軽減に資する業務管理等に関する項目(以下、施設基準)」に取り組むべき内容が掲げられています。次の8つのうち、3~4項目を組み合わせて実施することが必要です。

①勤務終了時刻と勤務開始時刻の間が11時間以上
②勤務開始時刻が直近の勤務開始時刻の概ね24時間以降
※3交代制勤務または、変則3交代制勤務の病棟のみが対象
③夜勤の連続回数2連続(2回)まで
④夜間を含めた各部署の業務量を把握・調整するシステムの構築
⑤みなし看護補助者を除いた看護補助者比率5割以上
⑥看護補助者の夜間配置
※夜間30対1/50対1/100対1急性期看護補助体制加算を届けている場合に該当
⑦看護補助業務のうち5割以上が療養生活上の世話
⑧夜間院内保育所の設置

 

タスクシフト・シェアを評価する項目が並んでいますね。加算による利益が得られれば、新たな人材の雇用や、体制の充実が望めそうです。

では、施設基準を満たして算定するためには、どのような施策を実施していけばよいのでしょうか。

 

成功事例から見る看護職員の負担軽減策

下記は、中央社会保険医療協議会による「看護職員の負担軽減策の効果」に関する調査結果です。

 

■看護職員の負担軽減策の効果(当該負担軽減策を実施している病棟が回答)

  ※夜間看護体制等の届出によらず、調査対象の全病棟が回答 

  ※ピンクで色塗りした項目は、夜間看護体制加算等の評価項目①~⑧に相当する、もしくは近い内容のもの。

【出典】中央社会保険医療協議会:平成30年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査「医療従事者の負担軽減、働き方改革の推進に係る評価等に関する実施状況調査」 

 

看護職員の負担軽減策の効果をみると、医療ソーシャルワーカー(MSW)・精神保健福祉士(PSW)との業務分担や病棟配置 ▶病院クラークとの業務分担や配置

施設基準の「⑥看護補助者の夜間配置」に該当する▶早出や遅出の看護補助者の配置 ▶夜勤時間帯の看護補助者の配置など、いずれもコメディカル・看護補助者の増員や配置による取り組みに関して、8割の医療現場が効果があると回答しています。

 

一方、「③夜勤の連続回数2連続まで」「⑧夜間院内保育所の設置」「④夜間を含めた各部署の業務量を把握・調整するシステムの構築」は効果が少ないと考えられています。

 

また、施設基準以外で夜間の業務に関わるものとして、次の取り組みも多く実践されています。

 

●早出や遅出などの看護ニーズに応じた勤務の導入・活用

●見守りセンサー等のIoT機器の導入

●夜勤後の暦日の休日の確保 

 

これらの取り組みを7割強の医療現場が負担軽減の効果があると評価していることから、2020年度の診療報酬改定では、上記の3項目も新たに施設基準に加えられる予定です。

 

まとめ

夜間看護体制加算の要件は、医療機関の実情に応じて、より柔軟に夜間における看護業務の負担が軽減できるよう、日々見直され改定がなされています。

診療報酬加算をうまく活用し、財源を増やすことで、夜勤手当の引き上げや、新たな看護助手の雇用⇒さらなる体制の充実・強化⇒人材の定着と、好循環を生み出すことができそうです。

 

 

↓全調査結果は、こちらよりダウンロードできます(会員登録無料)↓

 

 

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