2021.08.23
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ぼくの中には、いつもどこかに寅さんがいる
「寅さんのことば」~居宅介護支援事業所 管理者~

介護・医療系管理職のわたしの背中を押した1冊 vol.5

 

編集部より

経営者や管理者は日々忙しいはずなのに、なぜか多くの本を読み生き生きとしている・・・。看護師・保健師を経て現在は人材育成・組織開発コンサルタントとして活躍されている久保さやかさんが、「経営者・管理者は本から多くのヒントをもらっているのではないか?」という仮説を検証すべく、毎回1人の経営者・管理者の方から本にまつわるエトセトラについてインタビューしていくコラムです。経営や管理に直結する本・趣味の本、さまざまな本との出会いや出会うタイミングが、仕事やキャリア・経営を考えるきっかけにもなる、これは介護・医療系のみならず、広く言えることではないでしょうか。皆さんはどんな1冊を選びますか?そして、そこにはどんなエピソードがありますか?

  

執筆/久保 さやか(thoughts代表/看護師・保健師)

編集/メディカルサポネット編集部

 

「介護・医療のリーダーたちは、よく本を読み、仕事の糧にしている」

介護・医療のリーダーたちは、読書家が多い!現場で悪戦苦闘しながら、活躍されている方々に、これぞという本を選んで頂きました。連載の中では、選んだ理由や、背景に起こったエピソードを共になぞり、働く上での源泉について、伺っていきます。

 

 

ぼくの中には、いつもどこかに寅さんがいる

「寅さんのことば」~居宅介護支援事業所 管理者~

 

 

この連載も終盤に入ってきました。5人目のリーダーは、居宅介護支援事業所で管理者をしている、ふみちゃん。

 

ふみちゃんイチオシの本は、『男はつらいよ』の主役である寅さんのセリフをテーマにしたコラムです。国民的人気映画である『男はつらいよ』は、1969年に第1作が公開され、以降1995年までの26年間に全48作品が公開されました。このシリーズを映画館では観たことがなかったとしても、テレビ放送で親しまれた方も多いのではないでしょうか。

 

  

ふみちゃんのイチオシ
佐藤利明著 寅さんのことば 風の吹くまま気の向くまま 東京新聞出版部

 

  

寅さんの支援者としてのすごさ

僕は生まれが葛飾区。なので、子供の頃から寅さんは身近な存在でした。

 

寅さんって、すごい支援者だと思っています。映画の中では、定職にも就かず、各地を旅して、恋をしながら騒動を巻き起こす存在として描かれていますが、決してそれだけではない。本当はカッコいいんです。

 

寅さんが恋に落ちるマドンナには、大抵は好きな人がいます。寅さんの行動で勇気づけられて、最後はその相手と結ばれるパターンが多い。マドンナが幸せになれるよう、自己選択を促しているんです。マドンナのことを考えて、どういう未来が幸せなのかを考えて、行動しているところは支援者そのもの。

 

振られた寅さんは、また旅に出ていきます。未練はたくさんあるだろうし、これだけ苦労したのに、と思うところもあるだろうけれど、そこはみじんも見せない。美学ですよね。

僕らは仕事で“支援”をしていますが、本当は「この人がいて良かった」と思える寅さんのような人こそが支援者なんじゃないかな。

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