2022.08.24
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vol.7 他の施設はどうしている?他の事業所のハラスメント対策を大公開!

5分で読めるポイント解説 介護職労働実態調査2021

近年、ハラスメントについてのニュースを目にすることが非常に多くなっています。介護の現場も例外ではなく、「介護職白書」にはさまざまなハラスメントを体験した介護職員の声が多数寄せられました。これまで法整備が図られていなかったパワーハラスメントに対しては、2020年6月から大企業の事業主に、2022年4月からは中小企業の事業主にも防止措置を講じることが義務化され、その対策が急がれるところです。介護職員は、誰からどのようなハラスメントを受けたり見たりしたことがあるのでしょうか?また、事業者はどのような取り組みを行っているのでしょうか。
当記事では、「介護職白書2021年度版」のデータをもとに、「ハラスメント実態と対策」について、詳しくご紹介します。

編集・構成/メディカルサポネット編集部

5分で読めるポイント解説介護職労働実態調査

以下は「介護職白書2021年度版」における、退職・転職動向に関する調査結果です。

  

介護職員が「受けた」「見た」ハラスメントとは?

介護職員に職場のハラスメント状況をアンケートした結果

 

現在を含むこれまでの職場のハラスメント(セクハラやパワハラ、マタハラ)の状況を尋ねたところ、「受けたことがある」が60.2%と際立って多く、次いで「受けたことがない」16.7%、「他の職員が受けているのを見たことがある」13.3%の順に挙げられています。「受けたことがある」と「他の職員が受けているのを見たことがある」を合計した73.5%の人が、職場のハラスメントを経験しています。 

  

誰からハラスメントを受けたのか

誰からハラスメントを受けたのか

 

ハラスメントを経験したことがある、見たことがある803 人にそれは誰からのハラスメントか尋ねたところ、「上司」が70.6%と突出して多く、次いで「先輩」40.8%、「同僚」34.7%、「患者・入居者・利用者」25.9%、「医師」3.0%の順に挙げられています。

差し支えない範囲でハラスメントの内容についても回答をいただきました。介護職員から届いたリアルな声を、一部抜粋してご紹介します。

■日常的に威圧的な態度で怒鳴り散らし、暴力を受けたこともある。
■「子供を作る予定は ?」など言われ、「子供ができたんじゃないか」と体を触ろうとされたことがある。
■若いから大丈夫だよね?と言われて日勤中に今日夜勤してほしいと言われて2時間休んだ後に夜勤をした。
■契約の時間、曜日以外に了承なしに勤務を入れられ、シフト表をもらって初めて知った。
利用者からの性的な発言や身体的な接触をされることと、それについて上司含む同僚達から受け入れるようにと言われた。
妊婦の時に「妊娠は病気じゃないから」と産休前まで夜勤をやらされた。個別に呼び出され、人格を否定された
育児休暇を取る際、取ったら戻る場所は無いと言われた。
■育休から復帰した時に短時間で働くことを認めてもらえなかった。

■有給休暇を取りたいと話しても、根掘り葉掘り理由を聞かれ、その挙句有給休暇を取らせてもらえなかった。

  

ハラスメント行為は、嫌がらせ、いじめ、人権侵害に関与する恐れがあります。また、組織にとってのリスクとしては、職員のメンタル不調やモチベーションが低下し、最悪なケースでは退職につながる恐れがあります。では、どのくらいの事業者がハラスメント予防に向けた取り組みを実施しているのか、詳しく見ていきましょう。

 

ハラスメント予防に向けた取り組みを実施していますか?

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