2021.05.25
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武田・モデルナとアストラゼネカの新型コロナワクチンを特例承認

メディカルサポネット 編集部からのコメント

厚生労働省は5月21日、武田薬品工業が申請していた新型コロナワクチン「COVID-19ワクチンモデルナ筋注」とアストラゼネカが申請していた新型コロナワクチン「バキスゼブリア筋注」について特例承認の枠組みで薬事承認しました。ただ、アストラゼネカのワクチンについては、接種後極めて稀に「血小板減少を伴う血栓症」が発生することが海外で報告されていることから、厚労省は、予防接種法に基づく新型コロナワクチン接種では当面採用しない方針です。

 

厚生労働省は5月21日、武田薬品工業が申請していた新型コロナワクチン「COVID-19ワクチンモデルナ筋注」とアストラゼネカが申請していた新型コロナワクチン「バキスゼブリア筋注」について特例承認の枠組みで薬事承認した。

 

「COVID-19ワクチンモデルナ筋注」は、米モデルナ社が開発したmRNAワクチン。厚労省、モデルナ、国内での流通を担う武田薬品の三者の間で日本への5000万回接種分(2500万人分)供給について契約が締結されている。同じくmRNAワクチンであるファイザー社のワクチン「コミナティ筋注」が保管温度「-90~-60℃」(-20℃±5℃で14日間保存可能)とされているのに対し、モデルナ筋注は「-25~-15℃」で6カ月間保管できる。

 

「バキスゼブリア筋注」は、英アストラゼネカ社とオックスフォード大が共同開発したウイルスベクターワクチン。厚労省とアストラゼネカの間で日本への1億2000万回接種分(6000万人分)供給について契約が締結されている。アストラゼネカは既に国内でのワクチン生産を始めており、特例承認を取得した21日、「数週間内にワクチンの出荷を開始する」と発表した。

 

■アストラゼネカ製は当面公的接種に使用せず

アストラゼネカのワクチンについては、接種後極めて稀に「血小板減少を伴う血栓症」が発生することが海外で報告されていることから、厚労省は、予防接種法に基づく新型コロナワクチン接種では当面採用しない方針。武田・モデルナのmRNAワクチンのみ予防接種法上の公的接種で使用するワクチンに追加することを決め、21日付で全国に通知した。

 

武田・モデルナのmRNAワクチンは、18歳未満を対象とした臨床試験が実施されていないため、厚労省は、16歳以上18歳未満の者に対してはファイザーのmRNAワクチンを使用するよう注意喚起している。

 

武田薬品は21日、モデルナ筋注の国内への供給を速やかに開始すると発表。モデルナ筋注は東京と大阪に24日から開設された自衛隊大規模接種センターなどで使用することが決まっており、武田薬品は、近鉄エクスプレス、日本航空、関西エアポート、三菱倉庫、メディパルホールディングスなどとともに、ベルギーから日本までの輸送体制、接種会場への流通体制を構築している。

 

 

 

 

出典:Web医事新報

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